Appleは今夜10日(日本時間11日午前2時)に開幕するイベント「WWDC」で、新しい音楽サービス「iRadio」(仮称)を発表すると言われています。

iRadioは無料のネットラジオサービスと言われています。これでAppleはiTunesの音楽ダウンロード販売に加えて、米国で業界大手のPandora Radioや、SpotifyやRdio、Muveなど音楽ストリーミングサービス、そして競合するGoogleが競う世界的に急成長を遂げている音楽ストリーミング市場に参入します。

AppleはWWDCでiRadioの概要を発表し、今年中にサービスを開始すると言われています。今夜恐らく発表となるiRadioですが、どのようなサービス内容になるのでしょうか? 事前に伝えられたメディアやブロガーの情報や予想をまとめてみました。

機能

噂されるiRadioの機能は、無料の聴き放題オンラインラジオになる模様で、好きなアーティストやアルバムなどを分析し近しいジャンルの音楽を自動で再生してくれるストリーミングラジオになると伝えられます。またiTunesで購入した音楽や、iCloudに保存した音楽なども対象になると言われています。さらにiRadioから直接iTunesで購入できるボタンが付いていると言われています。

ですが、Appleが月額利用に制限(曲数?時間?)をかけるかどうかは分かっていません。

ライバル

米国で7000万人のアクティブユーザーを誇るネットラジオ最大のPandora Radio(広告付きモデル)、ラジオ機能も搭載しフリーミアムモデルを展開するサブスクリプション型音楽ストリーミングサービスのSpotifyやRdio、業界最大手で先月音楽ストリーミングサービスに参入したGoogleが、iRadioの競合になります。

特にGoogleはAndroid対iPhoneの競争もありますので、音楽サービスでのシェア争いやサービス強化も今後は期待できます。

レコード会社

AppleのiRadioにいち早く合意したのは、ユニバーサルミュージックでした。続いてワーナーミュージックおよび出版部門のワーナーチャペルがAppleと合意しました。そしてソニーミュージックと出版部門ソニー/ATVもWWDC直前の週末前に合意したと伝えられます。残るはユニバーサルミュージックの著作権管理部門のユニバーサルミュージック・パブリッシング・グループだけとなりました。サービス開始時に全ての音楽コンテンツを網羅したいAppleにとってレコード会社と音楽出版社との契約締結は絶対条件でしたので、現在の状況から、iRadio発表は現実味があると考えて良いと思います。

ブルームバーグによれば、ソニー/ATVの契約内容は2年でiRadioの広告収入から10%を受け取る契約で合意したと伝えています。一般的にレコード会社と音楽出版社は4%をPandoraなどネットラジオから現在受け取っています。

マネタイゼーション

Appleはユーザー獲得だけでなく、広告主獲得でも他社と競合していきます。AppleはiRadioサービスでオーディオ広告とバナー広告を導入すると言われています。バナー広告はモバイルアプリ向けのiAdが販売している広告になると関係者は伝えています。AppleはiRadio開始に向けて、大手企業と広告契約を結ぼうとしていますが、広告を販売できていないのが現状のようです。そのためAppleではiAd部門から人材を音楽サービスの広告へ移動させ、大型ブランドとの契約を急いでいます。

GoogleやSpotifyが採用する月額9.99ドルで広告無しの視聴が楽しめるサブスクリプション型モデル(有料課金)とは異なります。

またAdAgeによれば、iRadioの広告では競合するPandoraより正確にリスナーのターゲティングが可能になるため、広告主へのメリットが高くなると予想しています。Pandoraは現在広告をリスナーの年齢、性別、郵便番号によって選別して表示・再生しています。AdAgeによれば、例えばiRadioをiPhoneで使った場合、現在地に応じてより正確な広告が表示可能になるとのことです。

展開地域

最後に最も重要な点。これまでどこもiRadioが展開される地域についてレポートしてきませんでしたが、WWDC当日の今日ウォール・ストリート・ジャーナルが伝えた詳細な情報によれば、iRadioは当初米国のみでの展開になる模様です。日本は何時になるのでしょうか?

今夜の発表はどのようなないようになるのでしょうか? もう少しの発表ですが、今から楽しみです。

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Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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