日本にはいつ来るのか?
アップルは、9月から開始した無料の音楽ストリーミングサービス「iTunes Radio」を2014年初めには海外で開始することが明らかになりました。
ブルームバーグによれば、事情に詳しい情報ソースの情報として、まずアップルは英国とカナダでサービスを開始すると伝えています。また2014年にはオーストラリアとニュージーランドでも開始する予定をしています。
また情報ソースによれば、アップルはスウェーデンなど北欧諸国もサービスのターゲットとして視野に入れているとのことです。
iTunes Radioは、iPhoneやiTunes、Apple TVで利用可能な、無料の音楽ストリーミングサービスです。その機能は、好きなアーティストや購入済みの楽曲をiTunesが分析し、自動でユーザーの趣味嗜好に合ったジャンルの音楽をレコメンドして再生してくれるパーソナライズド・ネットラジオになっています。サービスはiOS 7に搭載される無料サービスですが、楽曲の間に広告が挿入される広告ビジネスを採用しています。
音楽ストリーミングでは後発のiTunes Radioですが、競合相手特に米国で最大のユーザー数を持つPandoraが米国以外の国でサービスを展開出来ない中、アップルは競合よりも先に米国以外の市場でサービスを開始する海外戦略で業界リーダーの牙城を崩すつもりです。
iTunes Radioが米国以外の国で展開出来る理由
「Pandoraキラー」と呼ばれるアップルのiTunes Radioは、配信に必要なライセンス契約にあたりユニバーサル・レコードやその他のレコード会社と配信に関する契約を直接締結していると言われています。そのためアップルはサービスを展開したい国のレーベルや権利者と直接交渉し、ライセンス料を支払っていきます。
一方Pandoraは、米国政府が設定するライセンス法に基いて運営しているため、米国以外(ただしオーストラリア、ニュージーランドは例外)の国で楽曲を配信する権利を持ち合わせていません。従ってPandoraがサービスを米国外で展開することは、不可能になっています。
iTunes Radioはアップルが発表した新しい「iPhone 5s」と「iPhone 5c」にはデフォルトで搭載されています。また最新のiOS 7のiTunesにもデフォルトで搭載されているため、iOS 7にアップグレードしたiPhone 5やiPadでも「iTunes Radio」を使うことが可能になります。
現在iTunesストアが利用可能な国は世界100ヶ国以上も存在しているため、アップルとしてはiTunes Radioをこれら全ての国で展開することが最も理想的な戦略になります。
アップルによれば、iOS 7発表後わずか5日の間に1100万人がiTunes Radioのユーザーになったそうです。
アップル、音楽ストリーミングサービス「iTunes Radio」が開始5日でユーザー数1100万人以上を獲得したと発表
サービス展開の速さはさすがアップルといったところ。iPhoneがあれば誰でも使えるというメリットは、大きいですね。実際には1-2ヶ月ほど経過しどのくらいのどのくらいのユーザーが継続して利用しているのかが、カギになると思います。それからビジネス的な話になりますが、広告を出している日産やペプシといった大手企業がどの程度メリットがあったのかも気になります。最後にiTunes Radioが始まり、どんなアーティストにメリットがあったのか、どのアルバムが注目されたのか、ユーザーが最も注目するのは、ここではないでしょうか?
ソース
Apple Said to Expand ITunes Radio to U.K. Before Pandora(10/8 Bloomberg)