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テキサス州オースティンで開催中の、ウェブと音楽の一大フェスティバル『SXSW (サウス・バイ・サウスウェスト)』には、押し掛ける約25万人!の企業関係者やレコード会社、メディア、ファンの注目を集めるべく、約2000アーティスト/バンドが参加します。

SXSW期間中は、オースティン繁華街の至る所でバンドやDJがライブを行い、また参加する新興企業もメディア・ブロガー・参加者に注目してもらうため、アーティストを招いたパーティを数多く開催します。そんな中で、もしたまたま耳にしたこれまで聞いたことのないアーティストのウェブサイトをiPhoneやAndroidなどで探した場合、アーティストサイトはスマートフォンに最適化されて、伝えたいコンテンツやファン仲間がシェアできるモバイル体験をちゃんと提供できているでしょうか?

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今回の調査はインディーズ系アーティストが集まるSXSWのケースですが、これからは日本をはじめ屋外フェスや夏期イベントが始まり活動的な時期。日本国内のファンをターゲットにした場合。海外オーディエンスを対象にして世界進出を目指す場合。多岐に渡るコミュニケーション目的において、大勢のファンが一度に集まる場と時間を考慮すると、更新情報が古い、ソーシャルメディアへのリンクが無い、PCブラウザ表示しかできずタッチナビゲーションに最適化していないという事態は、機会損失でしかなく、ファンや潜在層とつながるチャンスを逃していることは非常に残念です。

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 via Flickr crsan

音楽好きにとってコンテンツを目に耳にしたその瞬間にその場でアクセスできることは、感情が喜びに変わる体験のスイッチ。ここから音楽の共有、体験への共感、コアファンとなり更なる探究へと繋がります。これは大物ミュージシャンやインディーズ系アーティストからDIYのDJまで、ファンを抱えるクリエーター全員に一致するファンとのコミュニケーションアプローチです。

ShareSquareによれば、対象アーティストサイトの内、わずか9%しかモバイルコンテンツ体験に対応しておらず、新規ファン獲得やコアファンへのコンバージョンを見逃していることになります。

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モバイル対応はこれまでも議論されてきた課題に違いない。しかし昨今のスマートフォン普及とソーシャルメディアにより、モバイルサイトを通じた導線はリアルからソーシャルへ、オンラインからリアルへと人の感情をこれまで以上に循環させる。コンテンツコミュニケーションは新たなフェーズに突入したといえるのではないでしょうか?

1700組のアーティストサイトの内、FacebookページのLikeボタンを設置しているのは、わずか29%。Twitterのフォローボタンやウェジェットを入れているのは12%。ファンや興味ある人達であれば、自然とソーシャルメディアでフォローしたくなりますよね。このつながりが話題の拡散や潜在層への口コミなど将来的なコミュニケーションのきっかけになっていきます。ですが、SNSにアカウントを作っても、運用が出来なければ全く意味のない無駄な努力に終わるリスクもあります。
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音楽共有できるソーシャルプラットフォーム『SoundCloud』が最も人気ある音楽サービス/音楽プレーヤーとして利用されています。

YouTube 標準の動画サービス
Vimeo 高精細度(HD)対応動画サービス。クリエーターには好まれる
Bandcamp 自分の音楽を直販できる音楽サービス
jPlayer 様々なフォーマットに対応し、サイトに埋め込める動画/音楽プレーヤー

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ShareSquareが行った調査結果。ユーザーがサイトに初めてアクセスした時に感じる不満。
33%:ズームしなければテキストが読めない 
31%:動画コンテンツが再生されない 
28%:ボタンやリンクが小さすぎ 
20%:音楽コンテンツが再生できない
17%:最新ニュースやイベント情報が見つけにくい

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個人的にSXSW参加アーティストサイトを検索してみました。ですが実際、なかなかモバイルサイト対応しているアーティストサイトは見つからないことがわかりました。その中で見つけた傾向から、二通りのモバイルサイトの作り方を個人的にご提案。一つは、サイト内にコンテンツを張り付けて、サイト内で楽しんでもらうやり方。もう一つは、サイトにリンクを張って誘導先の音楽サービス内で楽しんでもらうやり方。

前者の例では、エレクトロポップデュオのSilent Dianeのサイトをピックアップ。左がウェブで右がモバイル。モバイルは並びがシンプルになり、サイト内で音楽や動画などが閲覧できる仕組みです。

後者の例で言えば、LA在住の女性ビートメーカー、TOKiMONSTAのサイトは、ナビゲーションしやすいほど文字がでかくてシンプル。そしてコンテンツは外部サービスの集約だ。例えば「Facebook」をクリックすれば、Facebookページに飛ぶ。Twitterを押せばツイッターに飛ぶ。トップページには最新のライブ情報があるので、次の簡単にSNSでも、音楽でもつながることが出来る。ましてやTOKiの場合はほとんどがビートメーカー/Brainfeeder界隈での口コミ効果といってもよいのではないだろうか?大掛かりな取り組みやサイトは必要ない。ファンがモバイルや外出中のSNSコミュニケーションでつながるキッカケの基礎作り何よりも必要です。

日本のアーティスト、レコード会社、プロモーション会社の方々、まだまだ夏フェスや夏ライブまでは時間があります。これから対応し始めても遅くはありません。スマートフォン対応のメリットを考慮すれば、これは音楽リスナーを増やし、熱心なファンを巻き込める戦略的チャンスです。一緒に音楽ファンのリスニング体験を盛り上げていきましょう!
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インフォグラフィック全体はこちらでご覧ください。

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ソース

Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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