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マイクロブログサービス「Tumblr」が、音楽リスナーと音楽との出会いを手助けするため2つの新しい取り組みを発表しています。Tumblrで音楽エヴァンジェリストを務めるネイト・アウアーバック(Nate Auerbach)がBillboardのインタビューに答えています。

一つ目は「#Music」タグのキュレーションとExplorerページ。2つ目はTumblr音楽ブログの開設です。

Tumblrは世界ユーザー数9500万人、2012年12月には米国だけで3080万人のユニークビジターを獲得して巨大なブログコミュニティを形成しており、多くのミュージシャンや、クリエイティブ層が積極的に利用しています。多くのネットユーザーにとってTumblrは、新しい音楽を探したり好きなアーティストをフォローできる音楽のコミュニティになっていました。新しい取り組みによってTumblr内でどんなユーザーでももっと簡単に音楽と出会えたり、アーティストや企業のマーケティング担当者がユーザーとコミュニケーションしやすくなります。

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一つ目のTumblr「Explore Page」では音楽専用タグ「#Music」を追加し、音楽キュレーターがセレクトしたコンテンツをユーザーがフォローしやすくしたことです。Music Explore Pageには、その他の分野と同様に、コンテンツをセレクトするキュレーターがピックアップした音源、動画、写真、ニュースなどが流れてきます。

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キュレーター(タグ・エディター)にはワシントンDCの人気クラブ「9:30 Club」やロサンゼルスの「The Echo」、音楽テレビ局のVH1、ジャーナリストやブロガーなど、Tumblrのコミュニティから多数のジャンルから集まっています。

アウアーバックによれば、タグ・エディターには多くのフォロワーを持つ、または特定のジャンルで影響力の高く音楽生に富むユーザーが選ばれているとのこと。またタグエディターは、安易なシェアなどを防ぐため著作権への理解も重視して選出されています。中にはTumblr音楽ブロガーもいます。TumblrのExplorer Pageでは、様々なテーマ別にエディターが存在していますが、今回初めて音楽にもキュレーターが導入されました。

ユニークな点はTumblrではなくTumblrユーザーがコンテンツをキュレートしている点です。Tumblrコミュニティでブランド力を持つタグエディターにキュレーションするコンテンツを任せることで、音楽コンテンツに多様性を持たせる試みです。タグエディターは現在20ほどで、今後も増加していく予定です。

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もう一つは音楽専用の情報を配信するmusic.tumblr.com」ブログ。ここではTumblrと音楽に関連した情報をTumblrユーザー向けに配信して行きます。例えばすでにSXSWで開催されるTumblrとフォール・アウト・ボーイズのパーティーが告知されています。ですが、ここはTumblrそのものの意見は出す場所ではなく、もっとTumblrコミュニティの声を反映させるコンテンツを出すと、アウアーバックは答えています。

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音楽タグページとTumblr音楽ブログは、非Tumblrユーザーにも公開しているので、好きな時に音楽情報を取りに行くことができます。

雑誌やテレビなど従来のマスメディアでは出来ない、リアルタイムでの情報発信でブログは音楽リスナーにとって重要な情報ソースになってきました。その中でもアーティストや、クリエイティブ層向けのTumblrが音楽コンテンツの新しい出会い方や楽しみ方を提案してくれることで、メディアに代わってキュレーターが情報のガイダンスとなりながら、リスナーが音楽と接触する頻度を自然と上げてくれる役割を果たすと思います。またユーザー同士のインタラクションが多く直感的なコミュニケーションができるTumblrだからこそ、タグをベースに直感的で感情的な音楽コンテンツを簡単に見つけシェアしたりお気に入りできることが重要になってきます。キュレーションとタグの活用はユーザーの行動に適した流れと言えるでしょう。

オンラインプラットフォームが全体の取り組みとして音楽など人気のジャンルにフォーカスした取り組みを出すことは、音楽ファンにとってもアーティストにとっても今後音楽との接し方に関わる大きな進歩になっていくと思います。新デザインを発表したFacebookも同じ流れにいると思います。次はYouTubeやTwitterなどグローバルなプラットフォームはこれからどんな音楽の取り組みを出してくるのか、期待が高まります。そんな中新たな試みを発表したTumblrには、今後注目していきたいです。

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ソース


Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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