ポケモンとTurntable.fmの日本版!アイデアが斬新だった。
2月に開催された音楽とITデベロッパーが集まり新しい音楽テクノロジーを開発する日本初のイベント「Music Hack Day Tokyo 2014」では、総勢150人の日本人デベロッパーが参加、世界からはSpotifyやSoundCloud、Gracenote、Echo Nestといった音楽サービスのハッカー・エヴァンジェリスト達がこの日のために集まった。
その中で唯一といっていいくらい、ゲーミフィケーションを音楽に取り入れた音楽ハックが1つあった。
モンスリー(Monthree)
「モンスリー」は自分の音楽を聴かせて卵からモンスターを育てるゲーム的要素が中心の音楽アプリです。
音ゲーとは全く違うコンセプトであることを始めにお伝えしておきたい。「モンスリー」はただの音楽ゲームではなく、リアルに聴かれる音楽を知る音楽発見ツールでもあり、音楽コミュニケーションツールでもあり、モバイルと親和性の高い音楽ハックだった。この音楽アプリは、Wired Japanの若林恵編集長から審査員賞を受賞した。
モンスターは楽曲のムードやテンポ、ジャンルから人気や認知度といった情報をパラメータに進化。これらの情報はEcho NestとGracenoteの音楽APIを使って取得します。音楽を聴かせ続けることで、音楽性を反映した個性的なモンスターへと成長していきます。
またモンスターはEcho Nest やGracenoteから音楽情報を取得すると、学びながら成長し続け、聴いているアーティストの新譜情報やおすすめ曲をメッセージで教えてくれたりもしてくれる。パーソナルな音楽キュレーションをしてくれるモンスターといえる。
Facebookのようなソーシャルメディアの要素もあり、ここで他のユーザーのモンスターとコミュニケーションを図ることができる。一般的に音楽のソーシャルメディアといえば、人気ランキングやCD売上など個人とつながりの少ない外的要因に左右される場合が多い。
モンスリーの場合、他のモンスターにも人気の曲が表示できたり、自分と近い音楽性のモンスターを検索することができるので、今人気の曲ではなく、時間をかけて聴かれた曲=モンスターを自分の音楽のアイデンティティにしてコミュニケーションをするところが、すごくパーソナル性を感じる。
モンスリーの面白いところは、日本人が好きそうなゲーム感覚を取り入れているところで、特に時間をかけて育てるRPG的な要素を音楽と絡めている着眼点が極めて日本らしい。好きな音楽はいつでも何度でも聴く。この音楽熱は自分の人生や性格やパーソナリティを反映しているとも言える。これをデータ化しビジュアル化することが多くの人にとってモチベーションになれば、本当に音楽が好きだという感情をブックマークや「お気に入りに追加」や「タグ付け」するよりもはるかにパーソナルな行動で表現することが可能になるだろう。
モンスリーのような音楽アプリは、例えばアーティストが長期ツアー中やアルバムローンチ時にファンとコミュニケーションを図ったり、企業の音楽マーケティングのような形いわゆるブランド・パートナーシップで活用できると思う。
それからキャラクターが意味不明!
音楽のゲーミフィケーションを実現した音楽アプリ。実際に自分の音楽を聴かせたらどんな結果になるのか、試してみたい。チームが作ったデモ動画も併せてご覧ください。
チームは8人の大所帯。
Yu Sakimoto(@YuSakimoto)、Yoh Osaki、UENO AKITO、Hiroshi Yamaguchi、okamoto rie、daisuke fukuda、takashi tanaka(@tatmos)、Satoshi Nakada(@satotech)
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