Spotifyと競合する音楽ストリーミングサービスのRdioが、音楽ビッグデータの分野でSpotifyとは違う路線を歩み始めました。
定額制音楽ストリーミングサービスのSpotifyが、音楽ビッグデータ・プロバイダーのEcho Nest (エコー・ネスト)を買収したことが、海外の音楽業界では先週大きな注目を集めました。
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その理由は、Echo Nestがデータを提供するクライアントにはSpotifyの競合企業が数多く名を連ねているため、今後SpotifyとEcho Nest連合がどのような動きを見せるのかに焦点が向けられていました。
RdioのCEO、アンソニー・ベイは米ニュースチャンネルCNBCのインタビューで、Rdioが今後Echo Nestと契約を更新しないことを示唆しました。
彼らは素晴らしいパートナーでした。ですが、私たちには他にも素晴らしいパートナーが付いています。次の段階へ進む時が来ました
Echo NestはRdioが提供する、リスナーの好みを分析して自動レコメンデーションを提供するパーソナライズド・ラジオ機能の解析エンジンでした。このオンラインラジオ機能は、Rdio以外にもSpotifyやXbox Music、iHeartRadioも提供しており、米最大のネットラジオPandoraに対抗しようとしています。
Echo Nestと今後契約をしない選択を取るRdioは、今後RoviやGracenoteと契約することが予想されます。
SpotifyはEcho Nest買収に当たり、サードパーティ向けにはサービスの提供を継続することを強調しました。
しかし今後はEcho Nestのデータが競合するSpotifyと共有できてしまう環境下になったことで、どれだけ多くの音楽サービスがEcho Nestと契約を続けるかは分かりません。
日本では定額制音楽サービスがまだ普及していないこともあり議論されていませんが、世界では音楽サービスが毎日の利用の中で、ユーザーがより好きな音楽を見つけ聴きやすくするためにどのように音楽レコメンデーションを最適化するかについて議論がここ数年繰り広げられています。その1つの可能性が音楽ビッグデータで、Echo Nestのソリューションは音楽レコメンデーションの領域ではSpotifyやRdioなど有名音楽サービスにおけるデファクト・スタンダードとなってきました。
ソース
Rdio is ditching the Echo Nest in response to Spotify acquisition(3/12 GigaOM)
Streaming music service Rdio aims for global, and mobile(3/11 CNBC)