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アップルが32億ドルで買収を目指していると噂のBeats ElectronicsのCEOジミー・アイオヴィンが、アップルに「特別アドバイザー」として参加し、クリエイティブな面でCEOのティム・クックに助言をしていくと伝えました。しかし買収が成立した場合、アップルとBeatsの関係は別のシナリオに発展するかもしれません。

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ウォール・ストリート・ジャーナルによれば、アップルはBeatsを買収した場合アイオヴィンだけでなく、共同創業者でヒップホップ・プロデューサーのドクター・ドレーを幹部として経営陣に迎え入れる予定だと伝えています。

2人がフルタイムで参加することは無いと思われますが、Beatsの本社があるサンタモニカからクパティーノを往復する予定とレポートしています。

ジミー・アイオヴィンは現在Interscope Geffan A&Mレコードの会長を務めていますが、アップルによる買収が成立した場合おそらく同職を退任するだろうと言われています。もしアイオヴィンがフルタイムでアップルにコミットすることになれば、アップルは彼のビジネス経験やネットワークによってレーベルやアーティストとより有効な関係を築き、魅力的な契約を結ぶことが期待できます。

アップルにとっては、すでに影響力のある2人を経営陣に迎え入れられるだけでなく、定額制音楽ストリーミングサービスの基盤となるかもしれないBeats Musicを獲得することもできます。アップルは昨年初めてiTunesストアでの音楽売上がサービス開始以来マイナスになりました。そのため早急に音楽売上を回復させるための新しい戦略を打ち出す必要に直面しています。

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最近のアップルではこれまで製品にフォーカスしたPR活動よりも、アップルのブランドにフォーカスするPR活動に注力しています。例えばティム・クックがデザイナー担当のジョニー・アイヴ、ソフトウェア担当のクレイグ・フェデリギと共にBusinessweekの表紙を飾ったり、前バーバリーのCEO、アンジェラ・アーレンツをリテールのトップに採用するなど、経営者にスポットライトを当てるスティーブ・ジョブズの時代とは異なる戦略を行っています。

この傾向を考慮した場合、音楽業界で知名度の高い2人がアップルに参加することで、アップルは自分たちが音楽の世界でまだリーダーであるというメッセージを発信することができます。

ジミー・アイオヴィンとドクター・ドレーにとっては、ヘッドフォンブランドで得た若者やミュージシャン、アスリートからの信頼と価値をアップルの持つブランド力と組み合わせることができます。もし買収が成立すれば、この2人は世界の音楽で最も影響力のある2人になるかもしれません。

ソース
Beats Co-Founders Dr. Dre and Jimmy Iovine Expected to Take on Senior Roles at Apple Following Acquisition(5/9 Macrumors)
Dr. Dre, Jimmy Iovine Would Both Join Apple in Beats Deal(5/9 Wall Street Journal)

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執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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