アップルが開始した音楽ソーシャルネットワークサービス「Ping」。9/2に発表された時点では画期的なサービスとして注目されましたが、開始2か月が経過した現在どの程度成長しているのでしょうか?こちらはFast CompanyにiTunes Pingの現在をまとめた記事です。
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アップルのiTunes向け音楽ソーシャルネットワークである「Ping」は、超独占的な集まりです。超独占的であるがゆえ、サービスへの参加者がほとんどいません。Hypebotによれば、9月に発表して以来、(pingには)2,000のアーティストが参加しましたが、iTunesストアが世界最大の音楽ストアであることを考慮すれば、これは驚くべき低い数字です。問題だらけのMyspaceでも、800万の参加アーティストを誇ります。
音楽ソーシャルネットワークに最も関心を持つ参加者であるアーティストが参加を見合わせていることは驚くべきことではありません。Pingは人気を集める上で数知れない障害が存在します。発表当初よりアップルは、レコード会社を避け、レディー・ガガやヨー・ヨー・マなど寄り分けられた少数のアーティストのみに直接交渉をしたことが、つまづきの始まりでした。もしかするとスティーブ・ジョブスは仲介業者を介さないやり方を目指していたのかもしれませんが、彼の断片的な取り組みは大勢の音楽愛好家を惹きつけるには、十分ではありませんでした。アップルは苦労しながら手間のかかる手順で、アップルが価値あるとみなしたアーティストを一人ずつ追加しています。
さらに、アップルはカニエ・ウェストに憧れるロックスターからの参加を妨げる規則をまとめた、異質な9ページのガイドラインを公開しました。
ジョブスが初めてサービスを公開した時、iTunesのユーザー1.6億人が自動的にPingを利用するかのように強調していました。少数のアーティストのみが参加した事実から判断して、柵に囲まれた成長が遅い音楽ソーシャルネットワークに参加するインセンティブが少ないと考えられます。レディー・ガガはFacebookに2100万人のファンを擁します。放置された感のあるMyspaceにさえ、彼女のフォロワーは130万人存在します。Pingではというと、わずか575,000万人です。
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11/2に自分宛にもアップルからiTunes Pingの宣伝メールがサービス開始以来初めて届きました。下記のメールでは、その他の製品PRメールと同様にサービス概要の説明が中心ですが、「(中略)and is growing fast」とトップにありました。シンプルなインターフェースで操作も簡単なサイトですので、コミュニケーションに最適なサービスと考えられましたが、一体成功へのカギはどこにあるのでしょうか?
個人的には、これまでiTunesは音楽ストアとしての利用が圧倒的に多かったので、そのサービス上でいきなり友人をフォローしたり音楽について対話することは、ユーザーの行動自体を変えることになってしまうのではないでしょうか?
反対に、Myspaceは音楽を買う機能がもともと存在しなかったので、ユーザーがサイトを閲覧し情報交換するソーシャルなプラットフォームを構築できたのではと考えます。またMyspaceでは、アーティストが自身のブログやライブ日程を掲載しユーザーに更新を通知できたりすることで、コミュニケーションが実現します。iTunes Pingと違いMyspaceでは、既存の音楽がコンテンツではなく、アーティストが更新する情報がコンテンツなため、鮮度の高い情報はコミュニティに受け入れられやすく広がりやすいと思います。
アップルのiTunes Pingが目指す音楽ソーシャルネットワークは、Facebookやグーグルなど今後音楽に参入するであろう企業にとって、良い事例になるでしょう。
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